
うつわ蘇生士
しらいかおり
20代半ばの頃、窓から見える美しさに惹かれて洋食器屋さんでアルバイトを始めました。
自分には高価すぎる食器ばかりでしたが、磨いていると辛いことなど忘れさせてくれることに気がつき、
うっとりする柄の小さなデミタスカップ&ソーサーを買いました。
その大切なデミタスカップを引越しで割れてしまい、悲しさと寂しさで13年間捨てられずにいました。
ある日、雑誌でイギリス式の【修復(共継ぎ)】というのを初めて知りました。
私は自分の手で、このデミタスカップを修復という『限りなく元の姿に戻す方法』で直したいと思い、
師から学び、13年間割れていた大切なデミタスカップを蘇らすことができたのです。
こうして修復の魅力と価値を知り、同じ思いをされている方へ、一人でも多く知っていただけたらと思うようになりました。
作ることが人に感動を与え、強く熱く放つエネルギーをもつ[太陽]とするなら、
修復は人に安らぎを与え、静というエネルギーで側に寄り添う[月]のようです。
器の直す方法に金継ぎ・銀継ぎがありますが、それは[修理]であって、
【修復】ではなくなってしまいます。
見た目のデザインを変えたくないことに拘っていた私は、修復で徐々に元の姿に戻るカップの姿を見ながら
先に例えた[月]の時間を持つことができるようになり、
そしてデミタスカップを壊した後悔と使えない寂しさは消え去り、
再び大切なカップと暮らす物語を新たに綴り始めることができました。
皆さんは英国大英博物館に飾られている磁器や陶器をご覧になったことはございますか?
太古の昔の破片を頼りに元の姿に戻したり、割れていることさえわからないように絵付がされていたり、
接着する技術など、その方法がイギリス生まれの【修復(共継ぎ)】になります。
2020年、生まれ故郷の北海道札幌へ引越し、’23年に修復ができるアトリエ“うつわ蘇生”を開きました。
北海道では初になる修復ですが、一人でも多くの方に器を大切にしたい想いと、
深淵の月の時間を感じて、心も蘇って頂けますよう精進して参ります。

2019ー現在
工房『いにしへ』にてマスターコース、ステップアップコース、プロフェッショナルコースを修了

2018ー現在
東京青山の陶磁器教室にて磁器粘土で室礼の道具や茶器を作陶。
不定期に銀座で個展を開催。

2012ー2013
神奈川県平塚の陶芸教室で電動ロクロで作陶


2007ー2008
東京六本木磁器クラブにて作陶
2004ー2007
北海道札幌マイセン美術館のチャイナペインティング教室にて上絵つけを習う
2003ー2004
東京銀座のアートスクールにて磁器のヨーロピアンペインティング、アメリカンペインティングを習う

1992ー1993
札幌の西28丁目駅側の陶芸教室で手捻りを習う
